素が出せない
先日、クラスの女の子からこんな相談を受けました。
「友達にも相談できる子がいない。母親にも困っていることを相談できない。」
この子は、学校でも家でも自分の悩みを打ち明けることができないで、とても暗い表情で打ち明けてくれました。
学校でも家でも「素の自分が出せない」でいるんです。
その後、約1時間、今思っていること・これまで考えてきたことをじっくり聞きました。
ぼくができることは、「抱えている思いを引き出してあげる」ことです。
特に解決の糸口が見えてきたわけではありません。
でも、スッキリした表情で家に帰っていきました。
やはり、誰にも言えなかったことがとても辛かったのでしょう。
その後、保護者の方もとても協力的だったので、自然と娘の悩みを引き出し、全てを打ち明けてくれましたとの報告がありました。
その事例からぼくなりに感じたことをまとめてみました。
「安心して発言できる場所」 をつくる
やはり、素が出せる環境は、ストレスが溜まりにくく生きていく上では必須の条件の一つであることはまちがいないなと感じました。
家庭を子どもにとって安心できる場所にします。
安心とは自分の意見を勝諾なく言える状態のことです。
「ばかにされるのではないか」
「否定されるのではないか」
と感じることなく、自由に発言したり、気楽に質問や反論ができる雰囲気をつくります。
そのためには、聞き手は助言や解決法を考え伝えるのではなく、ただただ「うんうん。」「そっか。」と聴くことに徹します。
よかれと思って、助言や解決法を伝えると、相手が「受け入れてくれないんだ」「そういうことをいってほしいんじゃないのに」と壁をつくってしまいます。
ポイントは「聴く」に徹します。
すると、信頼関係も築くことができます。
たくさんの「答え」がある体験をする
また、子どもはとっても素直なところがあって、こうと言われたらこうなんだと素直に受け入れることができる子もいるんです。
そういう子は、とっても真面目で、慎重で、完璧を目指します。
これは、いいことでもある反面、生きづらい環境に自分を追い詰めてしまうことがあります。
そんなときは、「正解はひとつではない」 という体験が必要です。
レシピを検索すると、 同じ献立でもさまざまな作り方があります。
味の濃淡や風味のちがいがあることがわかります。
料理では想定外のハプニングが起きることもあります。
そのつど柔軟に対応し、試行錯誤する経験にもなります。
野菜や植物を育てたり、 生き物を飼うことも、こうした経験につながりますね。
例えば、読書や映画·芸術鑑賞、日常のニュースを見て感じたことを、家族でとらえ方の違いを共有することで、 たくさんの視点があることに気づくことでしょう。
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