小学校では6年生の担任になると、
他学年の担任に比べ仕事量が増えます。
中でも、6年生の担任は授業内容も小学生では一番難しく、
授業準備に多くの時間がかかります。
また、
6年生が中心となって活動する行事がほとんどのため、
行事の度に役割分担したり、
それぞれの子が与えられた場所で力を発揮しているか気を遣わなければなりません。
そんな6年生の担任を、
教員人生の半分を捧げてきたぼくが、
経験から大切だなと感じることがあります。
それは、
「子どもたちとどう良い関係を築いていくか」
ということです。
教員って、
子どもたちと関係がうまくいかなくても、
正直うまがあわない保護者とでも基本的に最低一年間はともに過ごさなければなりません。
本当にうまくいかないときの一年は、
辛く、
長いんです。
逆に、
子どもたちとも保護者ともおおむねうまくいっているときは、
本当に穏やかに楽しく一年過ごすことができます。
今日は、
子どもたちと、
どのように良い関係を築いていくかについてまとめてみようと思います。
頭ごなしに叱るはアウト
何か問題が起こったときに、
理由を伝えて子どもたちの腹に落ちる指導が大切です。
これは大人もそうですが、
人に訳も分からず怒られると、「はあ!?」と
怒りを覚えます。
そしてその体験は、
結構長く記憶に残るものです。
(叱った本人は覚えてないことが多数・・・)
いくら子どもとはいえ、
6年生だと高圧的に叱らなくても理解できる年頃です。
穏やかに、
よくなかったところを考えさせながら話していくと
自分のしてしまったことを振り返ることができます。
ここまでで大切なことは、
大人が、
「自分が許せないことランキング」を書き出してみて、
本当にそれは一番許せない?
本当に一番?
なぜ?
とよーく考えながら、
順位付けをすることです。
そして、
目の前で自分の怒りポイントにふれる出来事が起こったときに、
順位の低い事案はあえてスルー(見て見ぬ振り)することが大切
です。
これは、
許せないランキングの上位の出来事が起こったときに、
思い切り指導するために、
どうでもいい、
まあ許せることで無駄に叱ったり感情をあらわにしたりしないこと
です。
これはそれなりの経験が必要です。
反射的に怒っちゃうときが多々ありますもん(笑)
ぼくが現場で感じることは、
低学年の担任が多い先生が、
高学年担任になって困ることは、
細かく指導しすぎることです。
低学年の保護者からすると、
細かいところまで指導してくれてありがたいと感じる方も多いです。
実際、
低学年で身に付けたことは、
6年間の学校生活の基本となります。
だから、
低学年ではそういう指導をすることは基本的には賛成です。
しかし、
6年生にそういうことをすると、
ただ子どもにうっとおしがられるでけです。
もう思春期に入っている子どもたちもいるのです。
細かい指導を繰り返し、
子供との心の距離ができてしまうんですよね。
低学年の担任を多くしてきた先生が、
高学年担任になって困ることはほとんどがこれです。
順位の低い事案はあえてスルー(見て見ぬ振り)することが良いことだとは思いません。
でも、
子どもたちとの関係を築く上では、
極めて重要なことでもあります。
心のケア
6年生ともなると、
表に感情を出さない子が多いです。
ですので、感情の変化をつかみにくいです。
そんな子たちと接するときに大切なことは、
こちらはあなたのことを心配している・気にかけているよというアピールを続けることです。
相手の反応が薄くても
(恥ずかしがっていたり、大人と話すのがいやだと思っていたりという理由で)、
反抗期の男の子でも、
髪切った?
新しい服じゃない?似合ってるよ!
調子悪い?
と声をかけ続けることです。
また、
普段からくだらない話を短時間でもして、
話をすることに抵抗がない関係を作っておくことも大切です。
これは、
いざというときに話してもらいやすいんです。
結果として、
大事になる前に対応できます。
「実はいじめられているんです・・・」
「実は最近あの子とうまくいっていないんです・・・」
「実は死にたいなあと思っているんです・・・」
こんなことを打ち明けてくれる関係になることができるんです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は担任という立場で考えてみました。
保護者の方は、
ぜひ担任を自分に置き換えて読んでもらえると、
関わりのヒントになると思います。
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