※本記事にはアフィリエイト広告(楽天)を含みます。紹介する本はすべて、内容を確認した上で選んでいます。
元小学校教員として約20年、いまは公認心理師・スクールカウンセラーとして学校現場にいます。この記事では、不登校の子を育てる親御さんに読んでほしい11冊を、悩み別に紹介します。
わが子が学校に行かなくなったとき、親はまず情報を探します。でも、ネットの情報は断片的です。正反対のことが書いてある日も珍しくありません。
そんなときに支えになるのが、一冊を通して体系的に書かれた本です。
最初に大事なことを一つだけ。全部読む必要はありません。今のあなたの悩みに合う一冊だけで足ります。まずは下の早見表で、いまの状態に近い行を探してください。
悩み別・最初の一冊早見表(11冊すべて)
近い行を1つだけ選んでください。選んだ行の本が、あなたの最初の一冊です。
| 今のあなた | 最初の一冊 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 不登校になって間もない。何をすればいいか分からない | 『不登校になったら最初に読む本』 | 直後のNG対応と、代わりにできることが具体的 |
| 学校とのやりとりも学びの選択肢も、まとめて知りたい | 『不登校−親子のための教科書』 | 網羅性が高く、一冊で全体像が入る |
| 疲れていて、活字を読む気力がない | 『登校しぶり・不登校の子に親ができること』 | イラスト中心で、短い時間でも読み進められる |
| うちの子はどのタイプなのか、整理したい | 『不登校は9タイプ』 | 9タイプと7ステージで、見立ての視点が持てる |
| とにかく具体的な手順がほしい | 『不登校・ひきこもりの9割は治せる』 | 3ステップの行動の本(枠組みが合わない家庭もあり) |
| わが子の見方を変えたい | 『不登校は天才の卵』 | 問題ではなく可能性として見る視点をくれる |
| 「学校に戻す」以外の道も視野に入れたい | 『学校は行かなくてもいい』 | 学校以外の選択肢を、親子で学べる |
| 勉強の遅れが心配 | 『不登校でも学べる』 | 学習機会の確保に絞って整理されている |
| 子どもの気持ちが分からなくなっている | 『学校に行かない君が教えてくれたこと』 | 説得から傾聴への転換の過程が読める |
| 同じ立場の親の話を読んで、ホッとしたい | 『娘が不登校になりました。』 | コミックエッセイ。深刻になりすぎた心に効く |
| 数年先のイメージがほしい | 『学校に行きたくないと子どもが言ったときに親ができること』 | 事例とインタビューで、見通しが持てる |
2つ以上あてはまる方もいます。そのときは、いま一番つらい行を選んでください。
迷ったら、この3つの軸で絞る
早見表で決めきれないときは、次の順に考えると絞れます。
| 軸 | 考えること |
|---|---|
| ①今の時期 | 不登校になった直後か、長期化しているか。直後は「初動」、長期化なら「学びの選択肢」の本 |
| ②欲しいもの | 知識(理解・対応の方法)か、安心(同じ立場の人の話)か。ここが一番大事です |
| ③読む体力 | 疲れているならイラスト・マンガ・体験談から。文字が重い本は元気な日に |
特に②で迷う方が多いのですが、気持ちが限界に近いときに「対応の方法」の本を読むと、かえって自分を責めてしまうことがあります。そういうときは体験談から入ってください。
本を選ぶ前に、正直にお伝えしたいこと
元小学校教員として約20年、今はスクールカウンセラーとして学校現場にいます。その立場から、本の紹介の前に4つだけ。
1. 読む気力がない時期は、読まなくていい
お子さんが学校に行けなくなった直後は、親御さんも消耗しています。その時期に無理して読んでも、頭に入りません。「今は読めない」も正しい判断です。落ち着いてからで間に合います。
2. 本は「正解」をくれません
不登校の背景は一人ひとり違います。本が渡してくれるのは正解ではなく、選択肢と、少しの安心です。「この本の通りにならない」と落ち込む必要はありません。
3. 何冊も読むより、合う一冊を繰り返し読む
情報を集めるほど、正反対の主張に出会って迷いが増えます。今の状態に合う一冊を選んで、それを支えにするほうが、ずっと前に進めます。
4. 親が読むと、子どもが少し楽になります
親の不安は、子どもの罪悪感を強くします。子どもはただでさえ、休んでいることに引け目を感じているからです。現場で見てきた限り、これまで通りに過ごしている家の子は、落ち着くのが早いです。親の側に知識があると不安が減り、その分だけ家の空気が変わります。
①不登校の理解と対応に役立つ本(6冊)
『不登校になったら最初に読む本』
(小林高子・クロスメディア・パブリッシング)
不登校になって日が浅い方は、この一冊から入ってください。フリースクールを長年運営してきた著者による、タイトル通りの「最初の一冊」です。
不登校直後に親がやりがちなNG対応と、代わりにできることが具体的に書かれています。初動で親の対応が固まると、その後がずいぶん楽になります。
こんな場面で開けます
- 休み始めて1〜2週間で、何から手をつけるか決めたいとき
- 良かれと思ってかけた言葉が、裏目に出た気がするとき
- 学校からの連絡に、どう返せばいいか迷っているとき
こんな方に:不登校になって間もない方・最初の対応を間違えたくない方
合わないかもしれない方:不登校が年単位で続いている方。初動の話が中心なので、長期化した段階では物足りなく感じます。
逆に、休み始めの時期にはこの一冊が効きます。最初の1〜2週間を「これまで通り」で過ごせた家は、子どもが落ち着くのが早いと感じています。
『NPOカタリバがみんなと作った 不登校−親子のための教科書』
(今村久美・ダイヤモンド社)
全体像を一冊で押さえたい方には、この本が最短です。不登校支援を続けてきたNPOカタリバの代表が、多くの親子の相談を踏まえてまとめた「教科書」型の一冊です。
親の心構えから、学校とのやりとり、学びの選択肢まで、知りたいことが体系的に整理されています。いま書店でこの分野の定番になっている本で、迷ったらまずこれ、と言える網羅性です。
こんな場面で開けます
- 面談や電話の前に、話す内容を整理したいとき
- 学校以外の選択肢も、一度まとめて見ておきたいとき
- 祖父母や配偶者に説明する材料がほしいとき
こんな方に:全体像を一冊で押さえたい方・学校との付き合い方に迷っている方
合わないかもしれない方:いま知りたいことが1つだけの方。網羅型なので、答えにたどり着くまでに時間がかかります。
逆に、学校とのやりとりで迷っている時期には強い一冊です。面談の前に、該当する章だけ開けば足ります。
『登校しぶり・不登校の子に親ができること』
(健康ライブラリーイラスト版)
読む気力が残っていない時期は、この一冊にしてください。イラスト中心で、疲れていても読み進められます。
不登校直後の親御さんに私が最初に勧めるのは、たいていこのタイプの本です。文字の多い本は、消耗しているときほど頭に入りません。
こんな場面で開けます
- 本を開く体力が、1日5分しかないとき
- 専門用語の多い本を買って、途中で止まってしまったとき
- まず全体をつかんで、詳しい本は後まわしにしたいとき
こんな方に:活字を読む気力がない時期の方・初動の対応を知りたい方
合わないかもしれない方:背景の理屈まで深く知りたい方。要点をしぼった構成なので、解説は厚くありません。
逆に、いまの時期に一冊だけ選ぶなら、続けられる本が正解です。夜、子どもが寝たあとに1項目だけ。その読み方でも、確実に前に進みます。
『不登校は9タイプ』(不登校教育研究所)
不登校を9つのタイプに分け、教室復帰の7ステージと6つの不安心理を解説しています。
「うちの子はどのタイプか」という見立ての視点が持てると、対応の迷いが減ります。
こんな方に:子どもの状態を整理して理解したい方
『不登校・ひきこもりの9割は治せる』
(光文社新書)
1万人の支援実績に基づく3ステップ。タイトルは強めですが、中身は具体的な行動の本です。
注意点も正直に:「9割治せる」という枠組みが合わない・プレッシャーになるご家庭もあります。「動き出すヒントが欲しい」段階の方向けです。
こんな方に:具体的な手順・ステップが欲しい方
『不登校は天才の卵』
不登校の子が持つ独自の才能や可能性に光を当てる一冊。
子どもを「問題」として見る視点から、「可能性」として見る視点への転換を助けてくれます。
こんな方に:わが子の見方を変えたい方
②不登校の原因や構造を学ぶ本(3冊)
『学校は行かなくてもいい』
「正しい不登校のやり方」という副題の通り、学校以外の選択肢を親子で学べる一冊。著者自身の不登校経験に基づいています。
こんな方に:「学校に戻す」以外の道も視野に入れたい方
『不登校でも学べる』
学校に行かない期間の「学習機会」をどう確保するかに焦点を当てた一冊。
学びの選択肢(フリースクール・ICT教材・ホームスクーリング等)を整理できます。
※学校を休んでいる間の出席や学習が気になる方は、不登校でも出席扱いになる制度の解説記事も合わせてどうぞ。
こんな方に:勉強の遅れが心配な方
『学校に行かない君が教えてくれたこと』
不登校の子どもの内側の世界を、親の視点から描いた一冊。
「説得する」から「耳を傾ける」への転換が、関係を変えていく過程が読めます。
こんな方に:子どもの気持ちが分からなくなっている方
③体験談・実例を読める本(2冊)
『娘が不登校になりました。』
(本当にあった笑える話)
コミックエッセイ。「うちの子は関係ない」と思っていた親の実体験を、笑いも交えて描きます。
深刻になりすぎた心に、一番効くのはこういう本だったりします。
こんな方に:共感と息抜きが欲しい方
『学校に行きたくないと子どもが言ったときに親ができること』
不登校後の選択肢と豊富な事例・インタビュー。「この先どうなるのか」の見通しが持てる一冊です。
こんな方に:数年先のイメージ・他の家庭の実例が欲しい方
よくある質問
Q. 子ども本人に読ませる本はありますか?
A. 本人が求めていないうちは、渡さないほうがいいです。「これを読んで」は、子どもには「早く立ち直って」という圧に聞こえがちです。まず親が読んで、必要なときに言葉で伝えるほうが届きます。
Q. 図書館で借りるのでもいいですか?
A. もちろんです。むしろ最初は借りて読むことをおすすめします。読んでみて「これは手元に置いて何度も読みたい」と思った本だけ買えば十分です。
Q. 夫(妻)が本を読んでくれません。
A. よくあることです。無理に読ませるより、本の中の一節だけを口頭で共有するほうが受け入れられやすいです。「この本にこう書いてあった」は、自分の意見より相手に届きます。
Q. 何冊も買ったのに、どれも最後まで読めません。
A. 消耗している時期には、よく起きます。読めない自分を責めないでください。そういうときは、早見表の3行目にある「イラスト中心の本」に切り替えるか、いったん本から離れてください。読む力が戻ってから、また開けば間に合います。
Q. 本を読んだのに、状況が変わりません。
A. 本を読んですぐ変わることは、ほとんどありません。ただ、親の受け止め方が少し変わると、子どもの安心は確実に変わります。すぐに結果が出なくても、無駄にはなっていません。学校や勉強の具体的な選択肢は出席扱い制度の記事や勉強の遅れの取り戻し方もあわせてどうぞ。
まとめ
- 本は「全部読む」ものではなく、今の悩みに合う一冊を選ぶもの
- 知識は親の不安を減らします。親の不安が減ると、子どもは安心します
- 読んでみて「うちの場合はどうすれば…」となったら、一人で抱えず、学校・スクールカウンセラー・支援機関に相談してください
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