「うちの子、どう関わったらいいか分からない・・・」「私と性格が真逆すぎて扱い方が分からない・・・」
子どもが成長していくにつれ、このように感じるおうちの方、多いのではないでしょうか?
愛着障害
医学・心理学の世界で、「愛着障害」というものがあります。具体的には次の2つです。
「反応性愛着障害(反応性アタッチメント障害)」
どういった障害かというと次の通りです。
引用:日本精神神経学会「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」
彼らは,苦痛を感じたときに,養育者から安楽,支え,愛情を込めた養育,または保護を得るための一貫した努力を示さない.さらに,苦痛を感じたとき,この障害をもつ子どもは,養育者の安楽を与えようとする努力に対し最小限にしか反応しない. …… このように,反応性アタッチメント障害をもつ子どもは,養育者との日常的な交流の中で陽性の情動の表出の減少または欠如を示す.
要は、反応が著しく乏しい子と言えるのではないでしょうか。
「脱抑制性対人交流障害」
脱抑制型対人交流障害の基本的な特徴は,
ほとんど初対面の人への文化的に不適切で過度の馴れ馴れしさを含む行動の様式である
引用:日本精神神経学会「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」
要は、
初対面の人にも人見知りせずにべったり抱きつくなど、状況にそぐわないなれなれしい言動に出る
ということですね。
以下が診断基準になります。
A. 広範囲な愛着が、5歳以前の(小児期中期にまで持続していなくてもよい)持続的な特徴としてみられること。診断には、選択的な社会的愛着を十分に示せないことが必要であり、次の項目に明らかとなる。
(1)苦しいときに、他人から慰めてもらおうとするところは正常であり、
(2)慰めてもらう相手を選ばない(比較的に)というところは異常である。
B. なじみのない人に対する社会的相互関係がうまく調節できないこと。
C. 次のうち1項目以上があること
(1)幼児期では、誰にでもしがみつく行動
(2)小児期の初期または中期には、注意を引こうとしたり無差別に親しげに振る舞う行動
D. 上記の特徴については、状況特異性のないことが明らかでなければならない。
診断には、上記のA、Bの特徴が、その小児の経験する社会的な接触の全範囲に及んでいる必要がある。
5歳までに発症し、たとえば、誰にでも無差別に愛着行動を示したり、注意を引こうとして見境なく親しげな振舞いをします。
ここまで読まれて、
「えっ!?うちの子、当てはまるかも知れない!どうしよう!?」
と心配れる方いらっしゃるのではないでしょうか?
でも安心してください。
心配されるような家庭では、まず問題ないでしょう。
その理由は、
いずれもネグレクトや主たる養育者の頻繁な変更があったか、アタッチメント形成が極端に制限される環境だったかなど、養育の極端な様式を経験しているかどうかが診断基準になっています。
つまりこの障害に認定されるのは、かなり少数派。
ただし、症状はADHDと間違われやすい症状で、鑑別が必要です。
ちなみに小学校には一定数このように過度に馴れ馴れしい子は普通に結構います。
じゃあうちの子は何なの!?
では、うちの子は愛着障害じゃなかったら何なの?
それは、さまざまなことが考えられるのでこれとは言えないですが、
僕の考えでは、
おうちの方の愛が子どもに届いていないことが考えられます。
障害とはいかないまでも、愛が満たされていない状態かも知れません。
ではどのようにしておうちの方の愛を子どもに届けると良いのでしょうか?
愛の届け方
大切なことを2つお伝えします。
安全基地の形成
安全基地の形成とは、
困った時・不安や恐怖を感じた時に守ってもらえる拠り所になるようにすること
です。
家で素が出せるように、叱責ばかりで、子どもに緊張感を与え続けることは良くないです。
大きな声で怒鳴らなくても、落ち着いて伝えると、理解できる場合も多々あります。
愛情深いコミュニケーションやスキンシップ
最も大切なこととして、
幼少期に満足に得られなかった、
愛着形成のための愛情深いスキンシップやコミュニケーションを補ってあげることが挙げられます。
生まれてきてくれただけでありがとう。いてくれるだけで嬉しい。という気持ちを伝えると子どもは照れながらもとっても嬉しいようです。
子どもに、「○○くん(ちゃん)は、宝物だよ。」と伝えてみてはいかがでしょうか?
と同時に、おうちの方も悩んでいらしゃると思います。
そんな時は、
過去に原因を探し求めるだけではなく、
自分の今の困りごとはどんなことか、
対処法としてどんなことができるのかを考えてみましょう。
重要なのは、
今困っていることに対して対処法を試し、
うまくいく方法を探すことです。
同時に頼り先を増やしたり、
好きなことに目を向けるなどして自分の心理的な安全基地を少しずつつくっていけるとよいでしょう。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
何かお困りのことがあれば、ぜひお声掛けください。
一人で悩まないで、ともに悩みましょう(^o^)
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