※本記事にはプロモーションを含みます。紹介するサービスは、制度対応と支援内容を基準に選んでいます。
元小学校教員として約20年、今はスクールカウンセラーとして学校現場にいる立場から、先に正直に言います。タブレット学習は、不登校のすべての子に合うわけではありません。むしろ「今は合わないタイミング」の子に買い与えると、教材が「できない自分」を突きつける道具になってしまうことさえあります。
この記事では、広告によくある「不登校ならタブレット!」ではなく、合う子・今は合わない子の見分け方から、制度(出席扱い)に対応した自宅学習サービスの正直な比較までをお伝えします。なお、私は各サービスの利用者ではありません。この記事は「使ってみた感想」ではなく、元教員×スクールカウンセラーとして、制度と現場の知見から「選び方の軸」を示すものです。
結論:教材の前に「支援者」を見てください
教材選びの相談を受けるとき、私がいつもお伝えしていることがあります。
問題は教材よりも、支援者です。
どんなに優れた教材でも、子どもがひとりで黙々と続けられるケースはまれです。大人だって、独学の通信講座は続かないですよね。子どもの学習が続くかどうかを決めるのは、教材の性能より「隣に伴走してくれる人がいるか」。だからこの記事の比較は、機能や料金の一覧ではなく、「どんな支援者がつくか」を軸にします。ここが、教材選びでいちばん大事な視点です。
タブレット学習が「合う子」——現場の正直な判定
現場感覚で言うと、タブレット学習・無学年式教材が合うのは、勉強がそこまで苦手ではない子です。
- 学校には行きづらいが、「わかる」体験がまだ残っている子
- 人に見られず、自分のペースで進めたい子
- ゲーム感覚の演出(キャラクター・ごほうび)で気持ちが乗るタイプの子
こういう子は、学年をさかのぼれる無学年式と相性がよく、家で静かに「わかる」を積み直せます。取っかかりという意味では、好きなキャラクターの教材・問題集から入るのも立派な作戦です。
「今は合わないタイミング」の子——ここを正直に
一方で、次のような子には、タブレット教材を今すぐ買い与えるのはおすすめしません。
- 勉強がとても苦手な子——「どうせやってもわからない」が口ぐせになっている子は、そもそも自分から教材に向かえません。画面の向こうに、できない自分を確認しに行くようなものだからです
- 自己肯定感が下がりきっている子——「どうせ僕なんて…」の状態の子に必要なのは、教材ではなく「あなたはできる」と隣で伝えてくれる人です
- まだ心が回復していない子——エネルギーが空の時期は、学習より休養が先です(初動の心構えの記事へ)
大事なのは、これは「この子にタブレットが一生向かない」という話ではないこと。「今は」合わないタイミングだ、という話です。心が回復し、「わかるかも」が少し戻れば、選択肢は変わってきます。
勉強がとても苦手な子・自信を失っている子に効くのは、対面や1対1で寄り添う「人の支援」です。1対1でわかる所まで戻り、「できたね」を言葉にしてもらう。この積み重ねで「自分もできるかも」が戻ってから、教材の出番です。人の支援から入る選択肢は不登校対応のオンライン家庭教師の記事で詳しく比較しています。
出席扱い対応の自宅学習サービス4つを比較
そのうえで、「うちの子は合いそう」と思えた方へ。選択肢は無数にありますが、不登校の家庭にとって大事な軸で絞ると、比較すべきは多くありません。私が軸にするのは次の3つです。
- 支援者がつくか(教材だけを渡されないか)
- 無学年式か(つまずいた学年までさかのぼれるか)
- 出席扱い制度に対応しているか(自宅学習を学校の出席として認めてもらう申請のサポートがあるか)
| すらら | サブスタ | ティントル | |
|---|---|---|---|
| タイプ | 無学年式のタブレット教材 | タブレット教材+学習計画 | 不登校専門の個別指導(人が教える) |
| 支援者 | すららコーチ(学習設計の伴走) | プロ講師が毎月の学習計画表を作成 | 担当の先生が1対1で指導 |
| 無学年式 | ◎ 小中高範囲を自由に行き来 | ◎ さかのぼり学習対応 | ◎ 本人に合わせた個別カリキュラム |
| 出席扱い | 申請サポートに実績多数 | 出席扱いサポートあり | ホームスクーリングの出席扱いサポートあり |
| 向く子 | 自分のペースで進めたい子 | 費用を抑えて始めたい子 | ひとりでは向かえない子・人の伴走が必要な子 |
※料金は改定されることがあるため、必ず各公式サイトの最新情報を確認してください。
この表は「支援者がつく3つ」の比較です。このあとに、支援者はつかないかわりに「出席扱いの記録」がいちばん出しやすい4つ目を紹介します。
①すらら|コーチ付き教材の代表格
無学年式タブレット教材の中で、私が軸に挙げた3条件をいちばんバランスよく満たすのがすららです。ポイントは教材そのものより、「すららコーチ」という人の伴走がつくこと。学習の設計を家庭任せにしない仕組みです。また、出席扱い制度への申請サポートの実績が多いことでも知られており、「勉強」と「出席日数」の両方の不安に対応できます。
気をつけたい点も正直に:教材の演出が合う・合わないは子どもによります。いきなり入会せず、資料請求で中身を確認し、お子さんと一緒に見るところから始めてください。
②サブスタ|計画表つきで費用が控えめ
プロ講師が毎月その子に合わせた学習計画表を作ってくれるのが特徴で、「何をどの順でやればいいか」を家庭で悩まなくて済みます。比較的費用を抑えて始めやすいのも現実的な利点。出席扱いのサポートにも対応しています。
正直な注意点:伴走の濃さは個別指導ほどではありません。「計画があれば自分で進められる子」向きで、ひとりで机に向かうのがまだ難しい子には次のティントルや家庭教師を検討してください。
③ティントル|不登校専門の個別指導
ティントルはタブレット教材ではなく、不登校専門のオンライン個別指導です。「教材より支援者」という観点では、いちばん支援が濃い選択肢。先ほどの「今は教材が合わないタイミングの子」——ひとりでは学習に向かえない子・自信を失っている子は、こちらから入る方が現実的です。ホームスクーリングコースには出席扱いのサポートもあります。
正直な注意点:人が教えるぶん、教材型より費用は上がります。まずは相談・体験で、お子さんと先生の相性を見てから判断してください。
④天神|支援者なし、記録は出しやすい
ここまでの3つとは毛色が違うので、別枠で紹介します。天神はデジタル教材で、コーチや担当の先生といった「人の伴走」はつきません。私が軸の①に挙げた条件を満たさない、という意味では、正直におすすめしにくい面があります。
それでもこの記事に入れたのは、出席扱いの「事務作業」がいちばん軽いからです。公式サイトで文科省の出席扱い制度の条件を満たしていることを明記しており、学校に提出する学習の記録をワンタッチで出力できます。学年をまたいださかのぼりも先取りも自由にできる、無学年の作りです。
出席扱いの申請でいちばん続かないのが、この「学習の記録を毎回そろえる」作業です。ここが軽いのは、地味ですが効きます。
向くのはこんな家庭:すでに出席扱いを取りにいくと決めていて、親御さんが伴走役をやれるご家庭。逆に「教材を渡すだけでは、うちの子は向かえない」なら、①〜③のどれかにしてください。順番を間違えないでほしいのは、ここでも同じです。
※料金体系は各社で異なります。必ず公式サイトの最新情報でご確認ください。
自宅学習を「出席扱い」にするには
どのサービスを選ぶにしても、知っておいてほしいのが文部科学省の出席扱い制度です。要件を満たしたICT等を使った自宅学習は、校長の判断により学校の出席として認められることがあります(全員が自動的に認められる制度ではありません)。申請の流れ・学校への相談のしかたは、当ブログでいちばん読まれている出席扱い制度の解説記事にまとめています。
よくある質問
Q. 小学生と中学生で選び方は変わりますか?
A. 判定軸は同じですが、小学生は「勉強しない=わからない」であることが多く、無学年式のさかのぼりが特に効きます。中学生は積み上げ教科(数学・英語)の穴埋めと、内申・進路への接続(出席扱い)を意識して選ぶとよいです。学習の遅れの戻し方はこちら。
Q. まず何から始めればいい?
A. いきなり契約しないこと。資料請求や無料体験で中身を見て、お子さん本人と一緒に選ぶのが失敗しないコツです。親が良かれと選んだ教材を渡すより、本人が「これならやってもいい」と言えたものの方が続きます。
Q. 教材を買ったのに全然やりません…。
A. お子さんのせいでも、教材選びの失敗でもありません。「ひとりで続けられる子」の方が少数派です。伴走者(コーチ・先生・家庭の外の大人)を付け足す方向で考えてみてください。それでも動けないなら、今は学習より休養のタイミングかもしれません。
まとめ:選ぶ順番を間違えない
- タブレット学習が合うのは「勉強がそこまで苦手ではない子」。全員向きではない
- 「どうせわからない」の子・自信を失っている子は、教材より先に「人の支援」から
- 比較の軸は、機能や料金より「どんな支援者がつくか」
- 出席扱い制度への対応も確認する(認定は校長判断。申請サポートの有無が大事)
- 最後は資料・体験で、お子さんと一緒に決める
教材は道具です。道具が子どもを救うのではなく、道具を通じて「できた」を一緒に喜んでくれる人が、子どもを前に進めます。選ぶ順番だけ、間違えないでください。












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