※本記事にはプロモーションを含みます。紹介するサービスは、制度対応と支援内容を基準に選んでいます。
元小学校教員として15年、今はスクールカウンセラーとして学校現場にいる立場から、先に結論をお伝えします。
すららを使った自宅学習が「出席扱い」に認められた事例は、実際にあります。すらら公式サイトによれば、出席扱い制度の利用を希望した利用者の約8割が認定を受けているとのことです(※すらら社の公表値)。ただし、出席扱いにするかどうかを最終的に決めるのは、教材ではなく在籍校の校長先生です。「すららを契約すれば自動的に出席扱いになる」わけではありません。
この記事では、その前提の上で、「じゃあ、うちの学校でも認めてもらえるの?」という一番知りたいところ——学校がOKを出しやすい進め方を、学校の中にいた人間の視点でお伝えします。なお、私はすららの利用者ではありません。この記事は「使ってみた感想」ではなく、元教員×スクールカウンセラーとして、制度と学校現場の実情から「通し方」を示すものです。
目次
正直な告白:現場の教員も、この制度を知らないことが多い
「学校に相談したのに、先生がピンと来ていなかった」——出席扱いの相談で、よく聞く話です。
これには理由があります。恥ずかしながら、私自身、教員だったころ「ICT教材を使った自宅学習で出席扱いにできる」という制度を知りませんでした。私が知っていた「出席扱い」は、自治体の教育支援センター(適応指導教室)に通所した日を出席として数える、というものだけ。自宅でのオンライン学習が対象になり得ることは、現場で話題になった記憶がほとんどありません。
文部科学省がこの仕組みを通知で示しているのは事実です(令和元年10月25日通知)。それでも、担任の先生が全員この通知を読み込んでいるかというと、現実はそうではない。先生が知らないのは、意地悪でも怠慢でもなく「そういう相談が来たことがないから」です。
ここから導かれる、この記事でいちばん大事な結論はこれです。
「学校が知っている前提」で相談してはいけません。「親が資料を持って、一緒に確認してもらう」前提で動くと、話がスムーズに進みます。
すららで「出席扱い」が認められる条件
出席扱いの要件そのものは文科省の通知に定められています(7つの要件の詳しい中身はこちらの解説記事にまとめています)。かみ砕くと、学校側が確認したいのは次の3点です。
- 計画的な学習か——思いつきの勉強ではなく、その子に合ったカリキュラムで進んでいるか
- 学習の記録が残るか——「何を・どれだけやったか」を学校が客観的に確認できるか
- 学校とのつながりが保たれているか——保護者と学校の連携・定期的なやり取りがあるか
すららが出席扱いの相談で名前が挙がりやすいのは、この3点に対応する仕組みを持っているからです。
| 学校が確認したいこと | すららの対応 |
|---|---|
| 計画的な学習か | 無学年式で、つまずいた学年までさかのぼった学習計画を「すららコーチ」が設計 |
| 記録が残るか | 学習履歴が自動で記録され、学習状況のレポートを学校への報告に使える |
| 連携できるか | 出席扱いの申請サポートがあり、学校に見せる資料が用意されている |
つまり「すららだから認められる」のではなく、「要件を満たしていることを学校に示しやすい教材」だ、というのが正確なところです。
学校がOKを出しやすい進め方——職員室側から見た4つのポイント
ここが本題です。同じお願いでも、進め方で学校の受け止めは大きく変わります。
① 最初の相談相手は担任。いきなり校長に直談判しない
決定権は校長先生にありますが、学校は組織です。担任→学年主任・教頭→校長という流れで話が上がっていくのが自然で、担任を飛ばした相談は、現場では「話がこじれる進め方」になりがちです。まず担任に「相談したいことがある」と一本連絡を入れてください。切り出し方の例文は別の記事に用意しています。
② 資料を2つ持っていく——「制度の資料」と「教材の資料」
先生が制度を知らない前提に立つなら、口頭で説明するより資料を一緒に見てもらうのが確実です。持っていくのは2つ。
- 文科省の通知(不登校児童生徒への支援の在り方について・令和元年10月25日)——「国がこういう仕組みを示しています」の根拠
- 教材側の資料——学習計画や履歴レポートがどう出るか、学校が何を確認できるか
「制度上可能らしい、ではなく、根拠と実物を見せる」。これだけで、先生は校長に話を上げやすくなります。先生自身が校内で説明する立場になることを、想像してみてください。先生に「説明できる材料」を渡すのが、いちばんの応援になります。
③ 伝え方は「休ませたい」ではなく「学びを止めたくない」
同じ内容でも、「学校に行かせないための申請」に聞こえるか、「学校に戻る力を蓄えるための学習継続」に聞こえるかで、受け止めは正反対になります。実際、文科省の通知でも、この制度は学校復帰や社会的自立に向けた支援として位置づけられています。「学校とのつながりは保ちたい。そのうえで、家での学びを認めてほしい」という伝え方が、制度の趣旨とも一致します。
④ 前例がない学校では、時間がかかることを織り込む
前例のある学校は話が早いですが、初めてのケースでは、学校側も教育委員会に確認を取るなど慎重になります。1回の面談で決まらなくても、断られたわけではありません。「校内で検討します」は、現場の感覚では前進です。焦らず、定期的に連絡を取り続けてください。
正直に言います:認められにくいケース・向かないケース
いいことばかり書くのはフェアではないので、正直に書きます。
- お子さんがまだ学習に向かえる状態にないとき。心のエネルギーが尽きている時期に「出席扱いのために毎日学習」を課すと、回復を遅らせます。この場合は制度より先に休養です。
- 近くの教育支援センターに通えているとき。通所による出席扱いがすでに機能しているなら、無理に自宅学習型に切り替える必要はありません(併用の相談は可能です)。
- 「出席日数のためだけ」に契約するとき。本人が教材に取り組めなければ、記録が残らず申請も通りません。教材はまず「本人に合うか」で選んでください。合うかどうかの見極めはタブレット学習の向き不向きの記事に書きました。
よくある質問
Q. 申請してからどのくらいで認められますか?
学校・自治体によって差が大きく、数週間で決まる場合も、学期をまたぐ場合もあります。前例の有無が大きいので、まずは早めに担任へ相談を始めるのが確実です。
Q. 出席扱いになれば成績もつきますか?
出席と評価は別の判断です。学習の記録や提出物をもとに評価に反映され得ますが、その扱いも学校の判断になります。相談の際に「評価はどうなりますか」と合わせて確認してください。
Q. すらら以外の教材では出席扱いにならないのですか?
なります。要件を満たせば教材は問いません。出席扱いサポートを掲げる教材の比較はこちらの記事にまとめています。
Q. 学校に断られたらどうすればいいですか?
理由を確認したうえで、教育委員会の相談窓口やスクールカウンセラーを介した再相談という道があります。また、出席扱いが通らなくても、学習の記録そのものは高校受験時の資料や本人の自信として残ります。無駄にはなりません。
まとめ:先に資料をそろえてから、学校へ
- すららでの出席扱いの認定事例は実際にある。ただし最終判断は校長先生
- 現場の先生は制度を知らないことが多い。「知っている前提」で相談しない
- 持っていくのは「文科省の通知」と「教材の資料」の2つ
- 伝え方は「休ませたい」ではなく「学びを止めたくない」
- まだ休養が必要な時期なら、制度より回復が先
順序としては、先に資料請求で教材側の資料を手元にそろえ、それを持って担任の先生に相談するのが、遠回りに見えていちばんの近道です。資料は学校を説得するための道具にもなります。
お子さんの「学びたい」が消えていないなら、それを守る仕組みは、ちゃんと用意されています。今日できる一歩は、資料をひとつ取り寄せることと、担任の先生への連絡を一本入れることです。
出典(公式資料)
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