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子どものことで頭がいっぱいで、気づけば自分のことは後回し——
不登校のお子さんを支える毎日は、親御さん自身のエネルギーを静かにすり減らしていきます。とくに長い夏休みは、一日じゅう子どもと家で過ごすぶん、「もう限界かも」と感じやすい時期です。
元小学校教員として15年、今はスクールカウンセラーとして学校現場にいる立場から、この記事では「支える側」である保護者の方が、自分を追い詰めずに毎日を続けていくための考え方とセルフケアをお伝えします。お子さんへの対応法ではなく、親御さん自身のための記事です。
「私のせいかもしれない」——その自分責めから、まず離れる
スクールカウンセラーや教員として多くの保護者と接してきて感じるのは、まじめで頑張り屋の親御さんほど「自分の育て方のせいだ」と抱え込みやすいということです。愛情をかけて育ててきた方ほど、そう考えてしまいます。
でも、子どもが学校に行きづらくなる背景には、学校での出来事・友人関係・その子の気質・体調など、いくつもの要因が重なっています。「親のかかわり方ひとつが原因」と言い切れるものではありません。原因さがしに時間とエネルギーを使うより、「これからどう支えるか」に気持ちを向けたほうが、親も子もずっとラクになります。
そして忘れてほしくないのは、親が倒れてしまっては、子どもを支えることもできないということ。自分をいたわるのは、決してわがままでも手抜きでもありません。子どもを支える土台を守る、大事な行動です。
まず気づきたい「消耗のサイン」セルフチェック
疲れは、少しずつたまるので自分では気づきにくいものです。次のリストで、いまの自分の状態を確認してみてください。当てはまる数が多いほど、「頑張り」より「休養」を優先したいサインです。
- 寝つけない・夜中に目が覚める、または朝すっきり起きられない
- 食欲が落ちた、または逆に食べすぎてしまう
- 以前は楽しめていたこと(趣味・友人との時間)を楽しめない
- 子どもの一言に、以前よりイライラしたり涙が出たりする
- 「自分さえ我慢すれば」と、つい一人で抱え込んでいる
- 頭痛・肩こり・胃の不調など、体の不調が続いている
- 子どもの将来を考えると、不安で頭がいっぱいになる
いくつか当てはまっても、それは「弱いから」ではありません。長く気を張り続ければ、誰でもこうなります。3つ以上当てはまる、あるいはつらさが2週間以上続いているときは、後ほど紹介する相談先を頼ってください。
親御さん自身を守る、5つのセルフケア
大がかりなことは必要ありません。「これならできそう」と思えるものから、一つだけ試してみてください。
| コツ | 具体的にできること |
|---|---|
| ①一人で抱えない | パートナー・信頼できる友人・担任・スクールカウンセラーなど、気持ちを話せる相手を一人でも持つ。「解決」ではなく「話して吐き出す」だけで、心はずいぶん軽くなります |
| ②「子どもの課題」と「親の課題」を分ける | 登校するかどうかは、最終的には子ども自身が向き合う課題。親が背負いすぎない。親の役目は「環境を整え、見守り、支える」ことまで、と線を引く |
| ③一日10分でも「自分の時間」 | お茶を飲む、散歩する、好きな動画を観る——子どもと切り離した自分だけの時間を、罪悪感なく確保する |
| ④完璧を手放す | 家事も、しつけも、いまは「70点で十分」。できなかったことより、できたことに目を向ける |
| ⑤情報を浴びすぎない | SNSや体験談の見すぎは、かえって不安をあおることも。信頼できる情報源をいくつかに絞り、夜は情報から離れる時間をつくる |
「勉強どうしよう」の不安を、一つ軽くする
親御さんの消耗の大きな一因が、「勉強が遅れていく」という焦りです。ここは、使える制度を知っておくだけでも気持ちが変わります。
いまは、家庭やフリースクールなどでの学習が、一定の条件を満たすと学校の「出席扱い」として認められる仕組みがあります。「学校に行けない=すべてが止まる」わけではないと分かると、抱えている不安が一つ、確実に軽くなります。制度の詳しい中身や、学校への伝え方は不登校でも「出席扱い」になる文科省の制度で解説しています。
つらさが続くときは、専門の窓口へ
セルフケアは大切ですが、それだけで抱えきれないときは、遠慮なく専門家を頼ってください。「相談するほどでは…」とためらう方が多いのですが、早めに頼るほど回復も早くなります。以下は、無料で使える主な窓口です。
| 相談したいこと | 主な窓口 |
|---|---|
| 子どもの登校や学校とのやりとり | 担任の先生/スクールカウンセラー(学校を通して予約できます) |
| 子育て全般の悩み・地域の支援を知りたい | お住まいの自治体の子育て相談窓口・教育支援センター |
| 親御さん自身の心の不調(眠れない・気分の落ち込み等) | かかりつけ医や精神保健福祉センター(各都道府県に設置) |
| 今すぐ誰かに話を聞いてほしい | 「よりそいホットライン」など、電話で話せる相談窓口 |
「近くの窓口には行きづらい」ときの、もう一つの選択肢
無料の窓口は心強い一方で、現場ではこんな声もよく聞きます。「地元の窓口だと知り合いに会いそうで行きづらい」「日中は動けない」「対面で話すのはハードルが高い」——。
そういう方には、オンラインの心理カウンセリングという選択肢もあります。たとえば「Kimochi」は、国家資格を持つ公認心理師だけが在籍するオンラインカウンセリングです。自宅から、時間を選んで、顔を出さずに話すこともできます。私自身も公認心理師ですが、話を聴く専門職を国家資格者に限定しているかどうかは、相談先を選ぶときの大きな安心材料だと思います。
正直な注意点:こちらは有料のサービスです(プランと料金は公式サイトで確認してください)。そして、カウンセリングは医療ではありません。次に書くとおり、心身の不調が続いている場合は医療機関の受診を優先してください。
公認心理師のオンラインカウンセリング「Kimochi」を見てみる
眠れない・食べられない・気分の落ち込みが続くといった状態が2週間以上続く場合は、我慢せず、かかりつけ医や精神保健福祉センターなど医療・専門機関に相談してください。それは弱さではなく、家族を守るための大切な一歩です。
よくある質問
Q. 自分のために時間を使うと、罪悪感があります。
A. とても自然な気持ちです。ですが、親御さんが心身を削り続けると、いちばん支えたい子どもを支えられなくなります。自分をいたわる時間は「わがまま」ではなく、支える力を保つための必要経費だと考えてみてください。
Q. まわりに相談できる人がいません。
A. 身近にいなくても大丈夫です。スクールカウンセラーや自治体の相談窓口、電話相談など、あなたのことを知らない専門家だからこそ話せることもあります。まずは一つ、上の表の窓口を試してみてください。
Q. 夫婦で考え方が合わず、そこもしんどいです。
A. 「登校させるべき」「見守るべき」で意見が割れるのは、とてもよくあることです。どちらも子を思うがゆえ。まずは相手を説得しようとするより、「今つらい」という気持ちを共有するところから。第三者(SCなど)を交えて話すと、冷静に整理しやすくなります。
まとめ:子どもを支えるために、まず自分を守る
- 「私のせいかも」の自分責めは、いったん手放す。原因さがしより「これからどう支えるか」へ
- 疲れは気づきにくい。消耗のサインを定期的にセルフチェックする
- 一人で抱えない・自分の時間を持つ・完璧を手放す——できそうな一つから
- 「勉強の遅れ」の不安は、出席扱い制度を知るだけでも軽くなる
- つらさが続くときは、SC・自治体・かかりつけ医など専門の窓口を頼る
お子さんの一番の味方でいるために、どうか親御さん自身も大切にしてください。あなたが少しでも笑顔でいられることが、お子さんにとっての安心につながります。一人で抱え込まず、頼れるところを頼りながら、一日ずつ進んでいきましょう。心身の不調が続くときは、必ず医療機関や専門の相談窓口に相談してくださいね。
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