小学生が朝起きないとき、起こし方を変える前に「休日の朝」と比べてみてください。休日も起きないのか、平日だけ起きないのか。どちらかで、親がすることは変わります。
何度声をかけても布団から出てこない。寝る時間が遅いせいだと思って早く寝かせようとしても、夜はなかなか寝ない。朝の支度のたびに怒鳴ってしまい、出かける前にもう疲れている方は少なくありません。
元小学校教員として約20年、いまは公認心理師・スクールカウンセラーとして学校で相談を受けています。朝の様子は、学校での様子と合わせて見ることを大切にしてきました。
小学生が朝起きないときの見分け表
朝起きない理由は、平日と休日の違いで大きく3つに分かれます。お子さんに近い行を探してください。
| 朝の様子 | 考えられること | 親がすること |
|---|---|---|
| 休日も起きない・夜は元気で寝ない | 寝る時間が遅く、睡眠が足りていない | 寝る時間を子どもと一緒に決める |
| 休日も起きられず、頭痛やだるさを訴える | 体の不調があるのかもしれない | 小児科に相談する |
| 休日はふつうに起きる・平日だけ起きない | 学校のどこかがしんどいのかもしれない | 担任に学校での様子を聞く |
| 夜中に何度も起きる・食欲も落ちている | 心や体が疲れている合図 | 2週間続くなら受診を考える |
どの行にあてはまっても、怒って起こすことは解決になりにくいです。朝の様子は、お子さんからの知らせとして受け取ってください。
平日と休日の朝を比べる
平日と休日で朝の様子が違うかどうかが、いちばんの分かれ目です。1週間ほど、起きた時刻と寝た時刻をメモしてみてください。
休日も起きない子
休日も昼近くまで寝ているなら、まず睡眠が足りていない可能性を考えます。小学生に必要な睡眠は9〜12時間とされています(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。
朝7時に起きるなら、夜9時から10時には寝ていたい計算です。寝る時間が遅い子は、起こし方より夜の過ごし方を見直すほうが先です。
平日だけ起きない子
休日の朝はすっきり起きるのに、平日だけ起きないなら、学校に行く気持ちが重くなっているのかもしれません。子どもは「行きたくない」を言葉より先に体で表すことがあります。
小さなイヤが積み重なって、あるとき「行きたくない」の一言になります。平日の朝だけ起きない時期は、イヤがまだ小さいうちかもしれません。
寝る時間が遅い子への一手
寝る時間が遅い子には、親が時刻を決めて守らせるより、子どもと相談して決めるほうが続きます。親が一方的に決めたルールは、子どもの反発を生みやすいからです。
寝る時間は子と決める
「何時に寝る」を親だけで決めると、守れなかった日に毎晩言い合いになります。子どもの言い分も聞いて、親子の間をとった時刻を落としどころにしてください。
- 「朝すっきり起きるには、何時に寝たらいいと思う?」
- 「9時は早いなら、9時半からやってみようか」
- 「1週間やってみて、また2人で決め直そう」
夜の画面は親子で話す
ゲームや動画、スマホは、寝る時間が遅くなる理由になりやすいです。取り上げる前に、「寝る30分前には終わりにしようか」と終わる時刻を一緒に決めてください。
置き場所を寝室の外にするかどうかも、子どもと話して決めます。(決めたことを破った日も、責めるより「明日はどうする?」と聞き直すほうが続きます。)
朝は光と声だけにする
朝はカーテンを開けて、部屋を明るくするところから始めます。声かけは「おはよう、7時だよ」の1回と、5分後の1回くらいにとどめてください。
何度も大きな声で起こすと、朝の最初の記憶が怒られた時間になります。起きてきたら「起きられたね」と、それだけを声に出してください。
体のサインは小児科へ
休日も起きられないうえに体の不調が続くなら、生活習慣だけの問題ではないかもしれません。朝に体が起きられない病気(起立性調節障害など)もあるため、小児科に相談してください。
私が受診を考えてほしいと伝えている目安は、次の4つです。
- 朝、布団から起き上がれない
- 夜中に何度も目が覚める
- 食欲が落ちている
- 前は楽しめていたことを楽しめない
4つのうちいくつかが2週間ほど続くなら、小児科やスクールカウンセラーに相談してください。(「怠けている」と決める前に、体のことを先に確かめておくと安心です。)
平日だけなら担任に聞く
平日の朝だけ起きないなら、家で起こし方を工夫する前に担任に学校での様子を聞いてください。友だち、授業、先生。学校のどこかで困っていることがあるのかもしれません。
担任への聞き方
連絡帳や電話で、家の様子をそのまま伝えてから聞きます。問い詰める形にならないよう、相談として伝えてください。
- 「最近、平日の朝だけ起きられなくて。学校で変わった様子はありませんか?」
- 「休み時間はどんなふうに過ごしていますか?」
- 「授業中に眠そうにしていることはありますか?」
担任の答えで、朝起きない理由の見当がつくことがあります。学校での困りごとがわかれば、家と学校で一緒に手を打てます。
イヤが小さいうちに動く
行き渋りの子は、学校に行く理由になる「楽しいこと」が減っていることが多いです。イヤが小さいうちに家と担任がかかわると、子どもは「これならやっていけそう」と思いやすくなります。
(子どもに理由を問い詰めると、尋問のように受け取られます。理由を聞き出すのは、学校の様子がわかってからで十分です。)朝の行き渋りが続くときの動き方は、小学生の行き渋り、親がもう限界のときにまとめました。
毎朝怒ってしまう親へ
毎朝起こすことに疲れているなら、親の負担を減らすことも同じくらい大切です。朝の支度と仕事の準備を一人で抱えながら、毎朝声を張り上げるのは誰にとってもつらいことです。
起こす役を家族で交代する、前の晩に支度を一緒に済ませておく。親の手を減らす工夫も、立派な一手です。怒ってしまった朝があっても、自分を責めすぎないでください。
朝のことで心も体も限界に近いと感じたら、親が「しんどい」「もう疲れた」と感じたらで疲れのサインを確かめてみてください。親が話を聞いてもらえる場所の見つけ方もまとめています。
よくある質問
Q. 起きないときは、休ませてもいいですか
体の不調があるなら、休ませて様子を見てください。平日だけ起きない状態が続くときは、休ませるかどうかを一人で決めずに担任に相談するのがおすすめです。
Q. 目覚まし時計は自分でかけさせたほうがいいですか
子どもがやってみたいと言うなら、任せてみる価値はあります。起きられなかった日も、責めずに「明日は何時にする?」と一緒に考えてください。
Q. 寝る時間が遅いのは、宿題が終わらないからです
宿題に毎晩時間がかかっているなら、担任に量や出し方を相談してみてください。宿題をめぐる夜の言い合いについては、小学生が宿題をやらない・毎晩イライラするときにまとめています。
Q. 夏休みに昼夜逆転しました。戻せますか
長い休みのあとに朝起きられなくなる子は多いです。起きる時刻を15分ずつ早めていくと、体が慣れやすくなります。長い休みの過ごし方は、不登校の子の夏休みの過ごし方も参考にしてください。
まとめ
- 小学生が朝起きないときは、休日の朝と比べて見分ける
- 休日も起きないなら、寝る時間を子どもと一緒に決める
- 体の不調が続くなら、小児科に相談する
- 平日だけ起きないなら、まず担任に学校での様子を聞く
- 毎朝怒ってしまう親は、自分の負担を減らすことも考える
明日の朝できる一歩は、カーテンを開けて「おはよう」を1回だけ言い、起きてきたら「起きられたね」と伝えることです。
朝起きない様子に気づいて調べているのは、お子さんをよく見ている証です。平日と休日を比べるだけでも、次に何をすればいいかが見えてきます。











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